高機能熱可塑性VICTREX® PEEK™樹脂および
コーティング材料のVICOTE® Coatingsが食品衛生法の規格基準に適合

これまでVICTREX PEEK樹脂およびVICOTE Coatingsは、FDA（米国食品医薬品局）認可の樹脂材料として、食品加工や医療用途向けに広く採用 されており、またVICTREX PEEK樹脂については、既に食品衛生法の規格基準への適合認定試験を済ませている。これに加え、近年、VICOTE Coatings についても、日本国内のユーザーから国内法への適合認定を求める要望が高まっていたことから、このたび適合認定試験を実施したものである。

食品との接触用途に用いられる器具および容器包装については、食品衛生法に基づく「食品、添加物等の規格基準（昭和34年12月28日厚生省 告示第370号）」により、その規格基準が定められている｡樹脂材料に関しては、全ての樹脂製器具・包装容器を対象とする「一般規格」、 ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリカーボネートやメラミンなど複数の特定汎用樹脂に適用される「個別規格」が定められており、これらの 材質試験と溶出試験に合格することが義務付けられている。

VICTREX PEEK樹脂およびVICOTE Coatingsについては一般規格が適用され、指定検査機関による試験の結果、

• 材質試験：カドミウムおよび鉛を含有しない
• 溶出試験：重金属および有機物の溶出量が基準値以下

* 重金属：1μg/ml以下／有機物（過マンガン酸カリウム消費量）：10μg/ml以下であることが認められ、 試験成績証明書が発行された。

ビクトレックスジャパンの前薗は「VICTREX PEEK樹脂およびVICOTE Coatingsは、以前よりFDAの食品接触規則に準拠しており、一般産業機械に 加えて、炊飯器、食品加工工程で用いられるコンベアベルトやバルブといった幅広い用途において、国内海外で数多くの採用実績があります。」 としており、加えて「食品衛生法の規格基準への適合認定によって、これまでユーザーの皆様が独自に実施していた規格基準試験を当社が事前に 実施することで、ユーザーの利便性向上に貢献すると共に、国内の食品加工分野における需要開拓につながるものと期待しています。」と 話している。

食品加工ベルトに利用されているVICOTE Coatings

アイルランドのTaconic International（タコニック）社は、同社の食品加工ベルト製品Tacmaster（タックマスター）にVICOTE Coatingsを 使用している。この食品加工環境向けコンベアベルトは、ガラス繊維を編んだ布にVICOTE Coatingsを利用した特殊コーティングを施したもので、 ロール形状で生産され必要なサイズに加工し供給されている。

このベルトは、ベーコン、チキン、バーガー、トルティーヤ、クラストピザや卵などの食品加工ラインで使用され、高温の食用油やグリースと 接触することから、高耐熱性、優れた摺動特性や耐摩耗性、非粘着性、耐カットスルー性、耐穿刺性や耐衝撃性といった厳しい特性が要求されて おり、これまでは1週間に最大60回のベルト交換が必要であった。

これに比べVICOTE Coatingsを用いたコンベアベルトは、高い寸法安定性、オイルやグリースに対する耐性、260°Cまでの連続使用温度 といった特性を併せ持つことで、ベルトの寿命を約40%延長させると共に、機械の休止時間およびメンテナンス･コストの低減に貢献している。

ビクトレックスジャパン株式会社
〒105-0011　東京都港区芝公園1-2-9　ハナイビル6F
TEL. 03-5777-8737
FAX. 03-5777-8738
Email. japansales @ victrex.com